てんとう虫が「幸運の象徴」として知られていることは、多くの人がご存じかもしれません。しかし、黒いてんとう虫のような虫もまた、国や地域によっては縁起の良い存在として捉えられています。世界にはどのような虫にまつわる文化や言い伝えがあるのか、今回はその意味について紹介します。ヨーロッパでは、てんとう虫は「神の使い」と考えられており、特に手にとまると幸運が訪れると言われています。これは、てんとう虫が農作物を守る益虫であり、害虫を駆除する役割を持つことからきています。てんとう虫の模様や色に関係なく、その存在自体が縁起が良いとされています。一方、日本では、てんとう虫は「天道虫(てんとうむし)」と書かれ、太陽の方向へ飛んでいくことから「良い運気を運ぶ虫」と考えられています。赤いてんとう虫が一般的ですが、黒いてんとう虫もまた同じように縁起が良いとされ、「黒いてんとう虫を見つけたら願い事が叶う」という言い伝えも存在します。また、中国では「黒」は陰陽のバランスを保つ色とされ、黒いてんとう虫のような虫が現れると、「厄除けのサイン」や「悪い運気を吸収する存在」として考えられることがあります。風水の観点からも、黒いてんとう虫は 邪気を払う存在 とされることがあり、家の中で見かけた場合は無理に駆除せず、そっと逃がすと運気が上がると信じられています。一方、ネイティブアメリカンの文化では、昆虫は 自然と人間の調和を象徴する存在 であり、特にてんとう虫のような丸い形をした虫は「穏やかさ」と「保護」を象徴すると考えられています。黒い虫も同様に、自然のバランスを保つメッセンジャーとしての役割を持ち、良い知らせを運んでくると言われています。ただし、黒いてんとう虫に似た害虫には カツオブシムシ や カメムシの一種 なども含まれます。これらは日本の文化ではあまり良い意味を持たず、家の中で発生すると害をもたらすため、しっかりと駆除する必要があります。そのため、虫を見つけたときには「どの種類か」を見極めることが大切です。もし黒いてんとう虫のような虫を見つけたら、単なる害虫ではなく、幸運のサインと捉えてみるのも面白いかもしれません。特にナミテントウの黒化型など、害虫を食べてくれる益虫であれば、むやみに駆除せずにそっと見守ることで、自然との共生を感じることができるでしょう。
てんとう虫みたいな黒い虫は幸運を呼ぶ?世界の文化と虫の意味