服を食べる虫は、一種類だけではありません。それぞれの虫によって、好む繊維や衣類への被害の仕方が異なります。ここでは、代表的な服を食べる虫の種類と特徴、そして衣類への被害と見分け方について詳しく解説します。まず、「イガ」です。イガは、蛾の一種で、幼虫が衣類の繊維を食べます。特に、ウールやカシミヤ、シルクなどの動物性繊維を好みます。衣類に小さな穴が開けられたり、繊維が薄くなったりするのが特徴です。また、イガの幼虫は、衣類に糸くず状の巣を作ることがあります。次に、「コイガ」です。コイガも、蛾の一種で、イガと同様に幼虫が衣類の繊維を食べます。イガよりも少し小さく、衣類に不規則な形の穴を開けるのが特徴です。コイガの幼虫は、衣類に筒状の巣を作ることがあります。そして、「ヒメカツオブシムシ」です。ヒメカツオブシムシは、甲虫の一種で、幼虫が衣類の繊維を食べます。動物性繊維だけでなく、化学繊維や植物性繊維も食べることがあります。衣類に小さな穴が開けられたり、表面が削られたりするのが特徴です。また、ヒメカツオブシムシの幼虫は、乾燥した動物性の食品(鰹節や煮干しなど)も食べるため、食品の保管場所にも注意が必要です。さらに、「ヒメマルカツオブシムシ」です。ヒメマルカツオブシムシも、甲虫の一種で、ヒメカツオブシムシと同様に、幼虫が衣類の繊維を食べます。ヒメカツオブシムシよりも少し小さく、衣類に丸い穴を開けるのが特徴です。ヒメマルカツオブシムシの幼虫は、乾燥した植物性の食品(穀物や種子など)も食べるため、食品の保管場所にも注意が必要です。これらの虫による被害を見分けるためには、衣類に穴が開いていないか、繊維が薄くなっていないか、糸くず状や筒状の巣がないか、などを定期的にチェックすることが大切です。また、虫の糞や死骸がないかどうかも、確認しましょう。