スズメバチトラップは、正しく使えば有効な対策になりますが、誤った使用は非常に危険です。設置から回収、廃棄までの注意点をしっかり把握して、安全に活用しましょう。まず、トラップを設置する際の注意点です。スズメバチが活発に活動している日中に行うのは避け、比較的活動が鈍る早朝や夕方に行うのが望ましいです。設置場所を選ぶ際は、巣の近く(10メートル以内)や、人通りが多い場所、子供やペットが容易に近づける場所は絶対に避けてください。設置作業中は、万が一スズメバチに遭遇した場合に備え、できるだけ肌の露出が少ない服装(長袖、長ズボン、帽子、手袋など)を心がけ、白っぽい色の服を選ぶようにしましょう。香水や整髪料など、匂いの強いものは避けてください。次に、設置後の管理と回収についてです。トラップの中には、捕獲されたスズメバチがまだ生きている可能性があります。トラップに近づく際は、中にいる蜂を刺激しないよう、静かに様子を確認してください。もし生きた蜂がいる場合は、絶対に素手で触ったり、容器を振ったりしないでください。回収する際も同様に、早朝や夕方に行い、防護性の高い服装で行うのが理想です。特にスズメバチは、死んでいるように見えても、わずかに動いたり、毒針が刺さったりする可能性もゼロではありません。回収したトラップの処理方法も重要です。多くの蜂が捕獲されている場合、容器は蜂でいっぱいになっているかもしれません。ビニール袋などに密閉してから、自治体のルールに従って廃棄してください。中の誘引液がこぼれないように注意しましょう。生きた蜂がいる状態で処理するのが不安な場合は、殺虫剤をトラップの入り口から少量噴射して、蜂の動きを止めてから処理するという方法もありますが、その際も十分な注意が必要です。最も重要な注意点として、アナフィラキシーショックのリスクがあります。スズメバチの毒に対してアレルギー反応を起こす体質の場合、刺されると短時間で呼吸困難や意識障害などの重篤な症状が現れ、命に関わることもあります。過去に蜂に刺されたことがある人や、アレルギー体質の方は、トラップの設置・回収作業は特に慎重に行うか、家族や専門業者に依頼することを検討してください。また、ミツバチなどの益虫を誤って捕獲してしまうこともあるため、春先の設置は控えるか、適切な誘引液を選ぶなどの配慮も大切です。
スズメバチ捕獲罠の安全な使い方