2025年12月
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蜂駆除でプロが語る防護服選びの絶対条件
スズメバチ駆除の現場に立つ我々プロにとって、防護服は命を守るための最後の砦です。だからこそ、その選定には一切の妥協を許しません。巷で言われる防護服は意味ないという言葉は、我々からすれば、不適切な装備を選んだ結果に過ぎないのです。プロが防護服を選ぶ際に重視する絶対条件は、まず第一に貫通防止性能です。これは単に生地が厚いというだけでは不十分で、スズメバチの針の長さと力を計算し尽くした特殊な素材や多層構造が不可欠となります。私たちは、メーカーが実施した耐針性試験のデータを必ず確認し、信頼できる製品しか使用しません。第二に、密閉性です。蜂の侵入を許すわずかな隙間も作らない設計が求められます。特に、ヘルメットと本体、手袋、長靴との接続部分の構造は重要です。ファスナーや面ファスナーの品質、フードの形状などを厳しくチェックします。簡単に着脱できることよりも、確実に体を保護できる構造が優先されます。そして第三の条件が、作業性です。いくら安全でも、動きにくくては正確な作業ができません。特に夏場の作業では、内部の熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります。そのため、軽量であることや、内部の熱を逃がすための送風ファンが付いているモデルなど、作業者の負担を軽減する機能も重要な選定基準となります。これらの条件を満たす防護服は、当然ながら高価になります。しかし、それは命を守るための必要経費です。安易な価格で販売されている製品では、これらの厳しい基準をクリアすることはまず不可能です。もしご自身で駆除を考えるのであれば、中途半端な装備で臨むことの危険性を十分に理解し、我々プロが使うレベルの装備を準備するか、それが難しい場合は迷わず専門業者に依頼するという判断こそが、最も賢明な選択と言えるでしょう。