害虫駆除の決定版として長年愛用されているバルサンですがその強力な効果ゆえに使用前の準備を怠ると予期せぬトラブルや大惨事を招く可能性があります。特に最も注意しなければならないのが火災報知器への対応です。バルサンには煙が出るタイプと水を使うタイプそして霧が出るタイプがありますが煙タイプと水タイプは大量の煙を発生させるため火災報知器(煙感知器)が火事だと誤認して作動してしまうリスクが非常に高いです。アパートやマンションなどの集合住宅で報知器が作動すると管理会社や警備会社に通報がいき消防車が出動する騒ぎになることもあります。こうした事態を防ぐためには付属の専用カバーやビニール袋を使って報知器を隙間なく覆う作業が必須となります。しかしガス警報器(ガス漏れ検知器)の場合は霧タイプ(ノンスモーク)のガスに反応することもあるため自分が使うバルサンの種類と設置されている警報器の種類を正しくマッチングさせる知識も必要です。準備はそれだけではありません。部屋の気密性を高めることも重要です。窓やドアを閉め切るのはもちろんですが換気扇や給気口の隙間も目張りすることで薬剤が外に漏れるのを防ぎ効果を最大化できます。一方で害虫が隠れている家具の引き出しやクローゼットの扉は全開にしておく必要があります。薬剤を部屋の隅々まで行き渡らせるためです。ただし衣類や布団に直接薬剤がかかるのを防ぐために新聞紙やビニールシートを被せる手間も惜しんではいけません。植物も部屋の外に出す必要があります。バルサンの成分は昆虫や魚類には猛毒ですが植物にとってもストレスとなり枯れる原因になることがあるからです。さらに忘れがちなのが冷蔵庫の裏やテレビの裏などの隙間確保です。普段掃除しない場所こそ害虫の巣窟になっているためあらかじめ少し動かして薬剤が届くようにしておくのがプロの技です。バルサンを焚くという行為は単にボタンを押すだけではなく部屋全体を薬剤で燻すという一大イベントです。面倒くさがらずに一つ一つの準備を確実に行うことが害虫を一網打尽にしつつ人間側のトラブルを回避する唯一の道なのです。使用前には必ず取扱説明書を熟読し自分の家の環境に合わせた対策を講じてください。