近年、愛知県や岐阜県をはじめとする東海地方や近畿地方、関東地方の一部で「真っ黒な謎の蜂」の目撃情報が急増しています。その正体は「タイワンタケクマバチ」という外来種です。元々は中国南部や台湾、東南アジアに生息していた蜂ですが竹材の輸入などに紛れて日本に侵入し定着したと考えられています。在来種のキムネクマバチと体型や大きさは似ていますが決定的な違いはその「黒さ」です。キムネクマバチが胸に黄色い毛を持つのに対しタイワンタケクマバチは全身が黒く羽も黒紫色に輝いておりまるで闇をまとったような姿をしています。彼らの最大の特徴はその名の通り「竹」に巣を作る習性です。枯れた竹の幹に直径1.5センチほどの真円の穴を開け内部の節をくり抜いて長いトンネル状の巣を作ります。これにより竹垣や竹箒、農業用の竹材などが穴だらけにされ強度が低下してボロボロになるという経済被害が発生しています。また庭木として植えられている竹にも被害が及ぶことがあり竹林の生態系への影響も懸念されています。性格については在来のクマバチと同様に比較的温厚で人間から攻撃を仕掛けない限り積極的に刺してくることはありません。しかし繁殖力が強く一度定着するとその周辺で個体数が増えやすく黒い蜂がブンブンと飛び回る光景は住民に恐怖を与えます。特に公園の竹製遊具や民家の竹垣に巣を作られると子供が誤って触れて刺されるリスクが生じます。巣穴からは「カリカリ」という竹を齧る音が聞こえることがありその下に大量の竹の粉が落ちているのが発見の手がかりとなります。もし自宅の竹製品に彼らの巣を見つけた場合は専門の駆除業者に依頼するか竹ごと焼却・廃棄するなどの対策が必要です。殺虫剤を穴に噴射する方法もありますが巣が深いため完全に駆除するのは難しい場合もあります。この黒い侵略者は温暖化の影響もあり徐々に生息域を北へと広げています。
竹を枯らす黒い侵略者タイワンタケクマバチの脅威