「黒い蜂は安全で黄色い蜂は危険」という単純な図式で判断するのは非常にリスキーです。確かにクマバチやクロアナバチのように黒くて温厚な蜂は多いですがクロスズメバチや外来種のタイワンタケクマバチのように注意が必要な黒い蜂も存在します。またスズメバチの中には「チャイロスズメバチ」のように黒褐色で一見すると黒い蜂に見える凶暴な種類もいます。害虫駆除のプロは色だけでなく「飛び方」と「体型」そして「場所」を見て瞬時に危険度を判断します。まず飛び方です。空中でピタリと止まるホバリングを多用しゆったりと飛ぶ黒い蜂はクマバチやハナバチの仲間である可能性が高く危険度は低いです。一方直線的で俊敏な動きをしカクカクと方向転換する黒っぽい蜂はスズメバチやアシナガバチの仲間の可能性があり警戒が必要です。次に体型です。ウエストが極端に細くくびれている(狩り蜂特有の体型)黒い蜂はジガバチやドロバチの仲間で単独行動をするため巣を刺激しない限り安全です。ずんぐりとして毛深いのはハナバチ類でこちらも基本安全。しかしスマートで表面がツルッとしており集団で行動している気配がある場合はスズメバチ類の疑いがあります。そして場所です。地面に出入りしているならツチバチかクロスズメバチかクロアナバチです。この中でクロスズメバチだけが集団で巣を守るため危険です。もし地面の穴から次々と蜂が出てくるようなら即座に避難してください。木の洞や壁の隙間に出入りしている場合はミツバチかスズメバチの可能性があります。このように色という情報はあくまで一つの要素に過ぎません。黒いからといって無警戒に近づくのは禁物ですし黄色いからといって過剰に怖がる必要もありません。大切なのは「何をしているか」を観察することです。花に夢中になっている蜂は人間になど興味がありません。逆に人間の周りを執拗に飛び回る蜂は警戒行動をとっている可能性があります。プロの視点を持つことで「怖い」という感情を「注意して観察する」という冷静な行動に変えることができそれが結果として刺されるリスクを最小限に抑えることにつながるのです。