散歩中や庭仕事中、あるいは家の中で突然黒い蜂に遭遇したら誰でも動揺してしまうものです。しかしその瞬間の行動が生死を分けることもあります。黒い蜂に限らず蜂全般に共通する対処法ですが相手が黒い蜂である場合特有の注意点も含めて正しい振る舞いを知っておくことは重要です。まず鉄則として「大声を出さない」「走って逃げない」「手で振り払わない」の三つが挙げられます。蜂は急な動きや大きな音、振動に敏感に反応しこれらを攻撃のサインと受け取ります。特にクマバチのような温厚な蜂であっても目の前で手をバタバタさせれば身の危険を感じて威嚇してくるかもしれません。遭遇した時は「石になる」イメージで動きを止め蜂が様子を見て去っていくのを待つか、ゆっくりと姿勢を低くして後ずさりしながら距離を取るのが正解です。黒い蜂の中にはクロアナバチやツチバチのように地面近くを飛ぶものも多いため足元への注意も必要です。踏んでしまえばどんなに大人しい蜂でも刺します。また服装についても注意が必要です。蜂は黒い色や濃い色を攻撃目標とする習性があるため全身黒ずくめの服や髪の毛が出ている状態はリスクが高いです。白や明るい色の服を選び帽子をかぶることが基本的な防御策となります。しかしここで矛盾が生じます。「相手が黒い蜂なら黒い服でも仲間だと思って襲われないのでは?」と考える人もいますが蜂の視覚認識はそこまで単純ではありません。彼らにとって動く黒い物体は「熊などの天敵」に見えるのです。さらに匂いも重要です。香水や整髪料、柔軟剤の甘い香りや柑橘系の香りは蜂を興奮させたり餌と勘違いさせたりする原因になります。黒い蜂の中にはクロスズメバチのようにジュースや肉の匂いに寄ってくるものもいます。もし家の中に黒い蜂が入ってきた場合はパニックにならずに部屋を暗くして窓を一つだけ開けてください。蜂は明るい方へ向かう習性があるため自然と外へ出て行きます。決して室内で殺虫スプレーを噴射して暴れさせないようにしましょう。黒い蜂の多くは単独性で温厚ですがスズメバチの仲間である可能性もゼロではありません。種類が見分けられない場合は「すべての蜂は刺激すれば刺す」という前提で敬意を持って距離を置くことが最も安全で確実な対処法となります。